”Wien Secession” ~「ウィーン・モダン展」を観て… ~

「ウィーン・モダン展」…国立新美術館にて
 

「ウィーン・モダン展」も
後半へと差し掛かってきました。

・・・

後半は主に”ウィーン分離派”がテーマになっているのですが、
実は近代化へ進んだ大きな理由の1つが
”ウィーン分離派”というグループの存在でした。

この「ウィーン・モダン展」を大きく分けるとしたら、
前回の”ビーダーマイヤー時代”と
今回の”ウィーン分離派”の2つになると思います。

・・・

ウィーン分離派のメンバー
「ウィーン分離派のメンバー(写真)」※public domainの画像です。
これは今回展示されませんが、参考で載せています

 

そんな”ウィーン分離派”のリーダー的な人物が、
今回の注目画家でもある”グスタフ・クリムト”。

ウィーン分離派”とは…

19世紀末、保守的な芸術家協会に不満をもった若手芸術家によって結成されたグループ。
当時のウィーンでは保守的なクンストラーハウス(美術家組合)が支配していて、
新しい芸術は認められなかった背景があったのでした。

そういった保守的な考えを嫌った若手の芸術たちによって結成され、
中心となった人物にはグスタフ・クリムトがいました。
美術市場から独立した展覧会の企画、
そして他国の芸術家たちとの交流などを目的としていたグループでした。

 

今展特に注目されている画家だけにどうしても
クリムトの作品ばかりに目が行きがちだと思います。

確かにこの女性の絵もそうですが…

「エミーリエ・フレーゲの肖像」グスタフ・クリムト

「エミーリエ・フレーゲの肖像」グスタフ・クリムト

 

こちらは”エミーリエ・フレーゲ”(1874~1952)という女性。

クリムトとは結婚はしていなかったのですが、
経済的にも精神的にも独立していた女性で、
クリムトにとって生涯のパートナーだったと言われている人です。
(実はこの絵は等身大として描かれているそうです。)

 

 考え…・思い…
それにしてもこの絵を見てどう思いますか?
この女性の衣装がなんとも言えず素敵だと思いませんか??

まさにクリムトらしいというか”装飾的”というか…。

それにこの女性を見ていると
”意思の強さ”が表現されている感じがするのです。

この絵が描かれたのが1902年だったので、
エミーリエ・フレーゲが28歳頃の姿だと思います。
しっかりした大人の女性という感じがしますね。

 

・・・

「≪愛≫『アレゴリー:新連作』のための原画」(1895年)グスタフ・クリムト

「≪愛≫『アレゴリー:新連作』のための原画」グスタフ・クリムト

 

これもクリムトの作品ですが、
周りの金地に描かれた花がなんとも和を想わせてきますね。

 

実はこういったクリムトの作品も良かったのですが~

・・・

 考え…・思い…
個人的にはウィーン分離派グループの手掛けた
ポスターやデザインもとても良かったのです!!
これは”まさに圧巻”ですね!

より現代的アートっぽい感じがして、
しかも発信的商業的観ていてとても面白いのです。
年代的に最近な作品が多いだけに
ここでは載せられませんが、ぜひ観てほしい部分ですね!

 

”第17回ウィーン分離派ポスター”(1903年)マクシミリアン・クルツヴァイル

”第17回ウィーン分離派ポスター”(1903年)
マクシミリアン・クルツヴァイル

画家やデザイナーの個性が存分に出ていて、
見ているだけでも楽しくなってきます!

 

・・・
特にここでおススメなのが
ベルトルト・レフラークンストシャウのポスター
このポスターは金髪女性の横顔を描いたもの。

非常にシンプルに描かれたデザインなのですが、
不思議と脳裏に焼き付くインパクトがあるのです。

これが”デザインの力”であり、
デザインの持っている破壊力”なんでしょうね。

それからオスカー・ココシュカの
クンストシャウ、サマーシアターの演目、『殺人者、女たちの希望』のポスター
これも実に衝撃的でインパクトがあったのです。
これはぜひ観てみて下さい。
おそらく一生忘れられないと思います。

 

 考え…・思い…
エゴン・シーレといい…、ココシュカといい…。
それからクリムトといい…
本当に個性的なんですよね。

今回ぜひ見に行った際には、
この”図録”を買ってほしいと思います。
(おすすめです!)

「松方コレクション展」図録

「松方コレクション展」図録
やっぱり今展は展示数が多いだけに、
図録も分厚く、しかもズシッときますね。

個性あふれるデザインやら絵画、衣装
それから家具や、さらには建築まで展示されています。
後々見返したり
復習するにもこの”図録”はおすすめ!!

 

・・・

考え…・思い…
思った以上に充実しているので、
1回だけだとすべてを把握しきれないと思います。

もう1度行ってみたいな~
…そう思う「ウィーン・モダン展」でした。

 

 

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