”ルーベンスの描く男女と生死” …「ルーベンス展」より

「ルーベンス展」国立西洋美術館にて

 

ルーベンス展に行ったら
私的に見てほしいポイントがあります。

それは”ルーベンスの描く男女と生死について~

 

ルーベンスは人物を描いた作品が多く、
特に女性の裸体を描いたものも多いですよね。

「スザンナと長老たち」(1606-07年)ルーベンス

「スザンナと長老たち」(1606-07年)ルーベンス

 

話や宗教画が多かったからというのもあるだろうけど、
どの絵を見ても女性の裸体がふくよかで温かさがあり、
柔らかさと気品が感じられるものばかり!

ルーベンスらしいと言えばらしいのですが、
これは男性を描くとまた違った感じに見えるのです。

男性を描かせたら
力強さや肉肉しさがあって、男らしい裸体を描きます。

 

考え…・思い…
柔らかさと力強さという
相反する描写は実に表現力が凄いな~と思うわけです。

それに年齢的に上になれば、
汚らしさというかむさ苦しさが感じれたりします。

「セネカの死」(1615-16年)ルーベンスと工房

「セネカの死」(1615-16年)ルーベンスと工房

※この作品は古代ローマ”ネロ帝”の家庭教師を務めたセネカが、
陰謀の加担を疑われ自殺を強要されるシーン。

 

さらには生死の違いさえも描いているのです。

「キリスト哀悼」(1612年)ルーベンス

「キリスト哀悼」(1612年)ルーベンス

 

まるで生気のない様子がリアルだと思いませんか?

生きた人間と生気のない人間の違いも描き分けた画力。
ルーベンスの絵から生々しさが感じられますね。

人間を描くにしてもここまで幅広い描写は
さすがにルーベンスだな~と思ってしまうのです。

素人の私が見ても、
ルーベンスの画力は凄いと思います。

 

でもやっぱり男性の私からすると、
女性の裸体は魅力的に見えますね。

「ルーベンス展」の図録より
正直言って”この女性に抱かれてみたい”とまで思ってしまうほど…。

不謹慎と思われるかもしれないけど、
それだけルーベンスは魅力的に描いていると思うのです。

なんというか
女性の色気や気品が描かれているからなんでしょうね~(^^)

 

ちなみに、
最後の方で見れたこの絵…

「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」(1615-16年)ルーベンス

「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」(1615-16年)ルーベンス

「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」ペーテル・パウル・ルーベンス作

図録の表紙にもなっている作品で、
どこかで見た事があるような懐かしさもある絵です。

 

 考え…・思い…
もちろん女性の美しさとふくよかさ、
それに優しさや温かさが感じられる
まさに”ルーベンスらしい魅力ある女性”の絵なのですが…。

実はこの絵には
ちょっとしたエピソードが…

まず絵のタイトルにもなっている
エリクトニオス”について話していきます。

エリクトニオスは
上半身が人間で下半身が蛇の形をした人物の事。

 

神話によると~

アテナはヘーパイストスの工房に武器を鍛えにやってきました。

ヘーパイストスは鍛冶の神と言われていて、
神々に武器や道具を作る神とされていました。
(ちなみにヘーパイストスは生まれた時から両足が曲がっていて、
歩くのに不自由だったそうです。)

そんなヘーパイストスには妻アプロディーテがいるのですが、
アプロディーテからは全く相手にされず、
ヘーパイストスは
鍛冶を頼みにやってきたアテナに欲情してしまったのです。

それに対しアテナは拒み逃げるのですが…
ヘーパイストスはアテナの足に射精してしまったのです。

女神アテナは精液を羊毛でふき取り大地に捨てると、
その大地が身ごもって1人の赤子エリクトニオスが誕生したのです。

この絵の背景を知ると、
ちょっと不気味さも感じるのです。

ここに描かれている子供は実はエリクトニオスで、
よ~く見ると下半身が蛇の形をしているのです。

神話を描いた作品には
この様に興味深いエピソードが隠れているのですが、

この絵もまさに面白いと思いませんか!?

・・・

  考え…・思い…
今回の「ルーベンス展」はルーベンス自身の作品が多く、
興味深い絵が多く見れたのが実に良かった企画展だったと思います。

男女の描写や生死の表現力

ルーベンスが当時高く評価されていたのは、
こういった画力と表現力の高さもあったのかな~と思ったのでした。

 

私的に見所でもあると思うので、
今回話したポイントで鑑賞してみるのも面白いと思います。

 

ルーベンス

– その時代の音楽

⇒”「ルーベンス展」の私的一押し作品”へ

 

 

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