- 2018-11-10
- Impression (絵画展の感想)
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– Peter Paul Rubens –
ルーベンスと聞くと、
思い浮かぶ作品があります。
・・・
それは国立西洋美術館に所蔵されている作品です。
実は先日「ルーベンス展」に行ってきたのですが、
もちろんですが、その作品も展示されていました。
さて、
その絵というのが…

「眠るふたりの子供」(1612-13年)ルーベンス
「眠るふたりの子供」(1612-13年)ぺーテル・パウル・ルーベンス
これは国立西洋美術館に所蔵されている作品なので、
本来なら常設展で見ることができる作品です。
今回は「ルーベンス展」序盤で見れたのですが、
この絵は何度見ても本当に素敵な絵なんですよね~(^^)。
この2人の寝ている子供の絵を見る度に、
ついつい釘付けになって見てしまうほど…。
柔らかさと無垢な感じが絶妙だと思いませんか!?
表情は子供の素顔をそのまま描写した感じで、
写実的ではないけれどまるで目の前で寝ているかの様…。
子供の幼さや愛らしさが描かれていると思います。

「自画像」(1623年)ルーベンス
さて、”ペーテル・パウル・ルーベンス”は
”バロック絵画”の画家と言われていています。
”バロック絵画”というとダイナミックな動きだったり
まるで大げさで大胆な描写が特徴と言われているけれど、
寝ている子供の絵などはバロックとはちょっと違う感じもします。
実はルーベンスは家族や友人などの絵も多数描いていますが、
どれもが実に人物そのままを描いている感じがしてならないのです。
ルーベンスは歴史的に見て
生前中に成功した画家の1人だと思うのですが、
そのためか制作依頼もかなり多かったと言われています。
そんな忙しい中で
好き好んで家族の絵などを描いているわけです。
例えば…

「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」(1615-16年)ルーベンス
これは長女クララ・セレーナを描いた作品ですが、
人物の描写は念入りに、でも背景はあっさりと描いています。
人物そのままを描きたかったのかな?と思う作品で、
大げさとかではなく
純粋に愛する人を描きたかったんでしょうね。
でも悲しいかな…
このクララ・セレーナは若くして亡くなっているのです。
(12歳だったそうです。)
売るためというよりか、
自分のために(もしくは家族のために)描いたんだろうと思いますが、
ルーベンスは”公私”を使い分けて絵を描いていたようですね。
元々ルーベンスは由緒ある家柄で生まれたこともあって、
幼少期からそれなりの教育を受けていたそうです。
もちろんそれなりの高い地位の職業に就く事も出来たろうに、
あえて不安定でもある”画家”の道に進んだ。
よっぽど絵を描くことが好きだったんだろうと思います。
序盤で見れた家族の絵などは、
絵を描くことが好きだったルーベンスが、
好きで家族の絵を描いたって意味でまさに”ルーベンスの愛”が垣間見れるのです。
ルーベンスという画家は、
神話や宗教画、歴史画など多く描いているけれど、
こういったプライベート感が感じられる絵は
個人的にはかなり好きなんですよね~。
ところで、
”愛”と言えば…

「マルスとレア・シルウィア 」(1616-17年)ルーベンス
後半で見れる作品「マルスとレア・シルウィア」も必見!
これは男性マルスがレア・シルウィアに対する
”愛”をテーマにした絵。
個人的にはルーベンスは人物を描かせたら凄い!と思うので、
ルーベンスと”愛”はある意味最高のテーマかもしれませんね!!
でもまだまだ
ルーベンスの魅力はあって、
それは続きで…。
⇒”ルーベンスの描く男女と生死”へ
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