”女性”と”生死”と… 「クリムト展」より

「クリムト展」…東京都美術館より

 

前回ではクリムトの多才ぶりについて話してきました。

風景画や人物画、装飾を用いた作品など
クリムトは多彩と言えるくらい様々な作品を描いてきました。

 

考え…・思い…
こうやって見ていくと、
果たして”本当のクリムトって何だろう??
と思うのですが…

でもやっぱりクリムトと言えば
女性”というキーワードが思い浮かんでくるのです。

・・・

「ヘレーネ・クリムトの肖像」(1898年)グスタフ・クリムト

「ヘレーネ・クリムトの肖像」(1898年)グスタフ・クリムト

 

これはクリムトが最初の頃に描いた作品で
弟エルンスト・クリムトの姪”ヘレーネ”の人物画です。

でもエルンストは結婚してまもなく亡くなってしまうのです。
その後グスタフ・クリムトは、
このヘレーネの法律上の保護者となるのですが。

そんな背景を知るとこの絵に対して
ちょっと深いものを感じてしまうのですが、
私だけでしょうか…。

 

それから
下の2枚の絵をちょっと見てみて下さい。

「グスタフ・クリムト≪医学≫」(1904年頃)

「グスタフ・クリムト≪医学≫」(1904年頃)

・・・

「グスタフ・クリムト≪哲学≫」(1904年頃)

「グスタフ・クリムト≪哲学≫」(1904年頃)

 

神秘的で哲学的な感じがする絵だと思いませんか?
エロティシズムというか女性らしさもちゃんと描かれているのに、
でも…なぜか”死”を連想してしまうのです。

 

クリムトは若いうちに
家族などの死を経験しているからなのかもしれませんが…。

彼の作品を見ていくとなぜか女性や愛の中に
”というキーワードが込められている様に見えるのです。

彼にとって”女性の生”と”死”は
切っても切り離せないものだったのかもしれないですね。

実際に最後に見れたこの絵には
そのすべてが込められている様に思えてならないのです。

・・・

「女の三世代」(1905年)グスタフ・クリムト

「女の三世代」(1905年)グスタフ・クリムト

この絵には女性の三世代が描かれています。

子供を抱えた優しげで生き生きとした若い女性と、
生気を失った様なうつむいた感じの老婆。

人間の誕生から死に至るまでの段階を描いているのですが、
まさにこの1枚には女性と生と死の3つが込められている様です。

 

考え…・思い…
どうしてもクリムトというと、
官能的な女性というイメージが付きまといますが、
今回見てきて感じるのは”それだけじゃないのでは?”という事。

根底には”生”と”死”というキーワードが込められていると思うのです。

 

「クリムト展」…図録より
世界的にもクリムトの絵は高く評価されているけれど、
その理由には”人間の生死”が関わっているからかもしれないですね。

 

クリムトは実に多彩ではあるんだけど、
でも多彩の中に深いメッセージも込められているのでは?
…と思った今回の「クリムト展」でした。

 

※ここで取り上げている画像は、
「Web Gallery of Art」などの”パブリックドメイン”を使用しています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Category

2019年9月
« 8月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
ページ上部へ戻る