- 2019-12-2
- Impression (絵画展の感想)
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西洋絵画の歴史の中で、
19世紀頃はある意味重要な転換期だったのかも…
そう思わせてくれたのが
”Inpressionism Beyond“…
今回の絵画展”印象派からその先へ …”だったのです。
場所は東京丸の内にある”三菱一号館美術館”でした。
ちなみにここは丸の内というビジネス街にありながら、
美術館周辺はちょっとした西洋的な庭が広がっています。
これはその様子です。☟
こんな風に緑と自然に溢れた場所にいると、
ふと自分が都内にいる事を忘れられる瞬間ですね!
・・・
”印象派からその先へ …”に潜入!!
さて今回の絵画展ですが、
気になった作品を挙げながら話したいと思います。
最初の”印象派の章”では
誰もが知る様な画家の作品が登場してきます。

「サン=ジェルマンの森の中で」(1882年)クロード・モネ
クロード・モネ「サン=ジェルマンの森の中で」(1882年)
クロード・モネやルノワール。
それからカミーユ・ピサロ、シスレーなど…
共に印象派の部類に入るとはいえ、
画家によって画風が違うのが面白いところ!
写実的な絵画はどちらかと言うと、
その対象物を正確にきっちりと描くのが目的になるのか、
画家の個性よりも目の前の対象物が主役になるんだろうけど、
印象派は画家の印象や感覚がより重要視されてくるだけに、
画家の個性が絵に現れてくるのが面白いところだと思います。
さて今回の絵画展は
印象派以降の絵画の歴史がテーマなっています。
まずは簡単ですが
歴史の流れについて話したいと思います。
・・・
時代的に言えば
19世紀後半くらいでしょうか…
それまで歴史画や宗教画が重要視されていた時代から~
(主に写実的な表現が特徴でした。)”印象派”の誕生で新たな絵画運動が起こるわけです。
それから様々な絵画運動が起こり、
ピカソやブラックの”キュビスム”
(絵画の形態を破壊した様な画風)
記号的でデザイン的な絵画でも有名な
カンディンスキーと言った”抽象絵画”が登場してくるわけです。
※これらの絵画は時代の最先端を行っていたので、
”前衛芸術”と呼ぶ人もいる様です。
でもそれまで主流だった写実的な絵画が
消えてしまったというわけではなく、
写実性と前衛芸術が共存する形で、
展開していくのが20世紀の芸術の特徴ともいわれています。
こう歴史を見ていくと、
印象派の誕生はかなり重要なのかな~とも思えるわけです。
もちろん当時は批判もかなりあったそうですが、
挑戦の連続が今の絵画文化にも繋がっているんでしょうね…。
・・・

「モンフーコーの冬の池、雪の効果」(1875年)カミーユ・ピサロ
カミーユ・ピサロ「モンフーコーの冬の池、雪の効果」(1875年)
今回特に惹き付けられた作品でした。
これまでピサロの絵は何度も見てきましたが、
実はそこまで惹かれるものがなかったのですが…
でもコレは
妙に”ビビッ!!”ときた1枚だったのです。
手前に見える木の存在感と構図が
属に日本の浮世絵の影響ともいわれているそうですが、
この木が手前にある事で、
不思議なリアリティが増している様に思えるんですね。
それから
降り積もった雪が何とも絶妙で、
観ていて寒さを感じてしまう温度感がある絵に見えるのです。
ピサロの絵は点描画のイメージが強いのですが、
これは1875年の作品なので、
ピサロが点描画に感化されるちょっと前の作品になると思います。

「ルーアンのエピスリー通り、朝、雨模様」(1898年)カミーユ・ピサロ
それから数年後に描かれた
ピサロの「ポントワーズのル・シュ」(1882年)
これもかなり素敵な作品なので、
ぜひ見て欲しい1枚だと思います。
そして
これはルノワールの作品

「シュザンヌ・アダン嬢の肖像」(1887年)オーギュスト・ルノワール
オーギュスト・ルノワール「シュザンヌ・アダン嬢の肖像」(1887年)
これはパステルによる作品です。
ルノワールの絵の特徴は
美しさと優しさと淡い繊細さだと思うのですが、
まさにパステルの特徴とルノワールの愛称は合う!!
そう思わせてくれる1枚だと思います。
・・・
そして、
後半では抽象絵画がメインになってきます。
もちろん
私の好きな”シャガール”の絵がいくつ展示していました。
さすがに画像を挙げる事はできないのですが、
ぜひ美術館に行った際は
ここで紹介した作品をチェックしてみてもイイかと思います。
※ポストカードより
・「バラ色の肘掛椅子」(1930年)
・「恋人たちと花束」(1935-36年)
・「夢」(1939-44年)
・「サント=シャペル」(1953年)
・「天使と恋人たち」(1956年)
どれも素敵な作品で、
シャガールの青色は本当にイイですね!!
今回展示していた作品の多くは”吉野石膏コレクション”で、
この会社は丸の内に本社を置く建材メーカーです。
(主力商品には有名な”タイガーボード”があります。)
見た事もない様な作品ばかりで、
しかも”コレってイイな~”と思えるものばかり!
今回展示していたのがすべてではないと思うので、
出来る事ならコレクションのすべてを見てみたいな~と思います。
さて…
そんな今回の絵画展で、
かなり気になった作品を1つ挙げたいと思います。
オディロン・ルドンの「グラン・ブーケ(大きな花束)」
これは三菱一号館美術館の所蔵作品です。
ルドンの作品はユーモアあって
奇妙で何とも不気味なものも多い中、
ここまで素敵な絵を目の前で見れたのは嬉しいですね!!
柔らかく優し気のある絵で、
しかも鮮やかな華やかさがあるのがイイ!!
それに不思議なのは花ビラや花に見えるのに、
まるで蝶だったり、果物の様にも見える事!!
ルドンだからこそ描ける絵のなのだろうけど、
今回のこの絵は暗い部屋の中での展示だっただけに、
美しさや華やかさがより増していたように思えます。
これは一見の価値ありの絵だと思います!
「印象派からその先へ」という今回の絵画展。
絵画の歴史の流れに沿って
鑑賞できたのはとても良かったな~と思います。
東京駅に行った際は、
ぜひ立ち寄って見てもイイと思います。
ついで感覚で
鑑賞するのも愉しいかも!!
…やっぱり絵画は眼で本物を見るに限りますね!!
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