- 2019-4-23
- Artwork (芸術作品)
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”平成”を締めくくる2019年4月。
そんな4月に観たい名画は…
と色々と考えてみたのですが、
やっぱりこの絵しかないですね。
グスタフ・クリムトのこの名画…

「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」(1907年)グスタフ・クリムト
「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」(1907年)です。
黄金に輝き異彩を放っている女性のドレス。
そして
その女性を覆うようにキャンバス一面に描かれた金色の背景。
一度見ると忘れられない衝撃的作品だと思いませんか?
ちなみにここで描かれているのは
”アデーレ・ブロッホ=バウアー”という女性です。
ではなぜこの絵が観たいかと言うと…
絵のインパクトもさることながら
一番は絵にまつわるストーリーに惹かれたから。
それはこの絵を巡ったこんな実話があるからなのです。
・・・
アメリカに住む女性マリア・アルトマンが、
絵の返還を巡りオーストリア政府を訴えた事から始まります。
方やオーストリア政府もこの絵を手放したくなく、
もちろんアルトマンの訴えに対し真っ向から反論します。
この1枚の絵を巡って
個人と国の裁判争いがあったというわけです。
最終的にはアルトマン側の勝利に終わり、
現在この絵は”ノイエ・ギャラリー”に所蔵されているそうです。
そんな経緯があったためか、
この絵の価値は1億3500万ドル。
(日本円で約175億円ほどかな?)
もちろん世界的にも落札額で15位以内に入るほど!!
法廷争いがあった事が落札額を押し上げた理由かもしれないけど、
1枚の絵で国まで動いたわけですから
相当な価値があったんだろうな~と思うわけです。
ちなみにこの”アデーレ・ブロッホ=バウアー”は
オーストリアの実業家だったフェルディナント・ブロッホ=バウアーの妻。
”1”とある様にクリムトはこの女性を2回描いているのです。
・・・

「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 II」(1912年)グスタフ・クリムト
これは”2”で、”1”と違って黄金で描かれてはいないのです。
”1”も”2”もそうですが、
どちらも独特な女性の描き方だと思いませんか!?
特に”1”は金色という豪華な色使いがとても印象的!!
しかも映画を観ている事もあってか、
妙にこの絵に対して印象深いものがあるわけです。
何というか、
この絵に対して不思議な魅惑や謎があるというか…。
実物は観た事はないの、
機会があればぜひ観たい!ですね。
ちなみに今は
ニューヨークのノイエ・ギャラリーで所蔵されています。

「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」(1907年)グスタフ・クリムト
実は話せばまだまだあるわけですが、
この絵のアデーレという女性とクリムトとの関係も気になる所!
独身だったクリムトと結婚している絵のアデーレ。
しかもクリムトはこのアデーレをモデルに2枚も描いている!
なんだか男女の関係がありそうですよね…。
とにかくこの絵にはまだまだ謎というか、
不思議な魅力がありそうでタマラナイわけです。
この絵の国家を動かすほどの不思議な魅力と
そして描かれた女性との関係性など
この絵はまさに”謎”と”魅惑”の宝庫!
…そんなわけで今回この名画
「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」を選ばせてもらったのでした。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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