- 2016-10-10
- Impression (絵画展の感想)
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ー ゴッホとゴーギャン ー
秋と言えば…
…もちろん私にとっては”芸術の秋”
そんなわけで今回は
『ゴッホとゴーギャン展』を見に行ってきたのです。
場所はというと…
…今年で開館90周年を迎えた”東京都美術館”でした。
東京での開催は2016年12月18日(日)までです。
ちなみに
【ゴッホとゴーギャン展】愛知開催は2017年1月3日(火)~3月20日(月)まで 場所は愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)で開催します。 |
今回の「ゴッホとゴーギャン展」ですが、
もちろん主役はゴッホとゴーギャンの2人。
実はこの2人には、
ある共通点があるのです。
それは2人がアルルで共同生活をしていた事です。
もちろん今回は
”アルル”大きなポイントになっていると思います。
今展の展示は1~5章の展示構成になっています。
1と2章はゴッホとゴーギャンの土台が構築された時期。
例えば影響を受けた画家や作品なども展示していました。
3章は2人がアルルに居た頃の作品。
4~5章はアルルを離れた後の人生と作品が見れるようになっています。
さっそく私の感想ですが、
実は最初の部分(1、2章)はちょっと物足りない感じでした。
確かにイイ絵はいくつかあったのですが、
どれもがゴッホやゴーギャン以外の作品なのです。
例えば
ジャン=フランソワ・ミレー『鵞鳥当番の少女』
カミーユ・ピサロ『ヴェルサイユへの道、ロカンクール』
モンティセリの『井戸端の女』などでした。
(モンティセリの絵はゴッホに厚塗りの影響を与えたのです)
どれもイイ絵ばかりなのですが、
なぜかゴッホとゴーギャンで心に残る作品がなかったのです。
やっぱりメインディッシュは
”3章”に入ってからなのだと思います。
そして3章は…
~ ゴーギャン、ゴッホ、そして共同生活へ ~
ここからはゴッホとゴーギャンの作品が交互に登場してきます。
もちろん
見ごたえがあるモノばかり!!
左を見たらゴッホの絵があって、
右を見るとゴーギャンの絵が!!
こんな感じで比べながらの鑑賞が面白かったのです。
それでは、
互いの絵画の特徴も交えながら話していきたいと思います。
絵を見ていって感じた事ですが、
ゴッホの魅力は”厚塗りと大胆さ”だな~と。
実際にある人が言っていた事ですが、
ゴッホの特徴は”厚塗り”が最大の魅力!
…”それだけに写真を見るだけでは、
本当のゴッホの良さは伝わらない。
ゴッホは本物の絵を見る事でしか、本当の意味で良さは分からない。”と…
確かにそう思いますね。
実際に本物の絵を見ると、
その意味がなんとなく分かる感じです。
(だから実際に足を運んで見てほしいのです!)
例えばこの絵もそうです。

『耕された畑』フィンセント・ファン・ゴッホ ※ポストカードより
これは今回ゴッホの作品の中で一番気に入った絵です。
これも間近に寄ってみると、
まさに厚塗りで絵の具がボテッと乗っている感じが分かると思います。
耕されている畑のゴテゴテっとした感じや、
あぜ道の荒々しい土の様子が、
厚塗りで描かれている事でより生々しく見えてきます。
ポストカードで見ると、
どうしても伝わらないと思います。
(単なる”汚れ!?”としか見えないかも…)
これがゴッホの魅力であって、
本物でしか味わえない感動なんだろうな~
そしてもう一点、

「収穫」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ
所蔵:ファン・ゴッホ美術館 ※public domain
この「収穫」という絵は、
ゴッホの自信作の1つとして挙げられる作品だそうです。
それだけこの絵に対する思い入れもあった様で、
ぜひ館内で見かけたらじっくりと見てほしいのです。
これに対して、
ゴーギャンの絵はまた特徴的なのです。

『アルルの洗濯女』ポール・ゴーギャン ※ポストカードより
これはゴーギャンらしさが出ていると思います。
立体感というよりも平面的で、
でも柔らかく優しい感じの絵なのです。
私的に手前右にいる”牛”が味があって好きですが…。
何とも”ゴーギャンらしい!!”と思います。
実はずっと昔の事ですが、
最初ゴーギャンの絵ってあまり好きではなったんですよね。
何だか薄っぺらい感じに見えたからです。
それが最近では、
”素朴”というか、なんとも言えない味がイイのです。
この洗濯している女性の後ろ姿は、
ゴーギャンの作風とテーマがピッタシ合っていると思います。
どうですか??
こうやって見るらべると、
ゴッホとゴーギャンは全く違うのです。
作風も筆遣いや技法などもまるで真逆と言ってもいいような…
私的に2人を表現するなら~
原色に近い感じの色と、力強さと大胆な筆づかいの”ゴッホ”。
逆に柔らかい筆遣いで、優しい色彩が特徴的な”ゴーギャン”。
それから
絵の構成もまったく違った感じなのです。
ゴッホはまるで”塊で表現”している感じ。
ゴーギャンは”面で表現”しているような…。
こうも互いの作風が違っていれば、
2人が衝突するのも分かるな~って思います。
別にどちらが優れているとか、
劣っているからではないと思います。
単に2人の進もうとしている方向が違うだけだと思うのです。
それにしてもオモシロいですね~。
一応2人はポスト印象派の部類に入る画家ですが、
でも作風は全くと言ってもいいほど違うのです。
これって見比べて鑑賞できるからこそ分かる事だと思います。
ぜひあなたもあなたなりに
2人の違いを探ってみても面白いと思います。
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