「ベルナール・ビュフェ回顧展」を観てきました。

「ベルナール・ビュフェ回顧展」…Bunkamura ザ・ミュージアムにて

 

孤高の天才と言われた”ベルナール・ビュフェ

 

ビュフェは20世紀後半に活躍したフランスの画家で、
独特で唯一無二の作品は本当にインパクトがあります。

一度観たら衝撃が走るくらい…

そんなわけで
前々から愉しみにしていた展覧会でもあったのです。

 

今回は日本でも馴染み深い”ビュフェ”の作品展について、
私なりの見どころなどを交えて話していきたいと思います。

 

「ベルナール・ビュフェ回顧展」…Bunkamura ザ・ミュージアムにて
場所は渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでの開催で、
今回の展示作品の多くは静岡県にある”ビュフェ美術館”のものが多い様です。

なかなか静岡に行く機会のない私にとって
東京で観れる事自体かなり貴重な体験となったのです。

 

絵を見て感動!

ビュフェ”の作品は実にユーモアがあって個性的!
賛否が分かれそうなものばかりなんですよね。

でも観ていると不思議な世界観にハマってしまうのです。

比較的最近の画家だけに作品の画像を載せる事は出来ませんが、
多少でもビュフェ展の雰囲気や見所を知ってもらえたら幸いだと思います。

 

「ベルナール・ビュフェ回顧展」より
さてビュフェの描いた人物は実に独特で、
まるで生気というか血が通っていない様な描写が特徴です。

裕福ではあっても十分な親の愛情(特に父親から)を受けてこなかった。

そういった少年時代の辛い体験や孤独感が
作風にも表れているのだろうと思うのです。

 


ビュフェの作風がどんなものか?だけでも知ってもらえればと思い参考に載せてみました。

白黒をメインにしたシンプルな画風は
まるで版画の様な感じもあって…

細長い手足や人物の描写は
まるでジャコメッティの彫刻にも近い様な…

でもどれにも属さない独特な感じはビュフェならでは。

 

それに建物の風景画も実に独特です。
しっかりとした輪郭によって描かれたビルの様子や、
奥行きや不思議な立体感があるビル街の様子もまた魅力的!!

しかもなぜか人けが全くしない殺風景な感じは、
人嫌いと言われたビュフェらしさが表れているのでは?と思ってしまうのです。

 

モノトーン調で人けのない感じなんかは、
まるでハマスホイの風景画にも通じる様だけど…

でもその中身は全く違う感じがします。

ハマスホイは静寂さがあるんだけど、
このビュフェは静寂さというか廃墟感が漂っているんです。

 

考え…・思い…
少年時代を孤独に生き、
辛い戦後を生きてきたからなのかもしれないけど、
こういったビュフェ独特な作風は唯一無二だと思うのです。

人によっては好き嫌いが分かれそうですが…

 

 

ここでCheck!
今回の「ビュフェ展」の見どころ!!

時には写実的な作品を描いた事もあったりと、
ビュフェの作風の変化を観れたり出来るのも今回の見どころですが、
個人的な見所はビュフェ作品の迫力と絵具の盛り方!!

すべての作品が当てはまるわけではないのですが、
ビュフェの作品は比較的大きなものが多い事もあってか、
大胆に絵の具が盛られた作品が多いのも特徴です。

近くに寄って見ると分かるボテッとした絵の具の立体感。

こういった厚塗りも見所だと思います。

例えば
えび(Le homard)(1958年)
ピカドール(Le picador)(1962年)

この2作品は特に見所だと思います。
深みのある赤も印象的だけれど、
厚く塗られた絵の具の盛りや筆質は美術館でしか味わえない魅力だと思います。

ぜひ行った際は堪能してほしい点ですね。

 

して最後に
ふと垣間見れるビュフェ生き様。

 


これは今回参考として載せています。
この動画で紹介されている作品は1999年に描かれたもの。
今展ではこれと似た作品「La mort 16)」(1999年)が展示していました。

 

晩年になると”死”を連想される作品を描くようになりますが、
パーキンソン病で筆を持つ事がままならなくなり、
そして死を意識したからなのか?

ビュフェはこんな言葉を残しています。

絵画は私の命です。
これを取り上げられてしまったら生きていけないでしょう…

 

ビュフェの感じていた孤独感は亡くなるまで続いていた様で、
家族が出来てもその孤独を埋める事は出来なかったようです。

だからそれを癒すために絵画にのめり込んだのかもしれないですね。

 

孤高の天才と言われる所以は
こういったビュフェの生き様にあるのかもしれない…

そう感じた今回の「ベルナール・ビュフェ回顧展」だったのです。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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